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(↑この記事は上記動画の文章全文です。文章で見たい方向け)
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あのね、描きたい話があるわけじゃないの。でも、漫画は描きたいの。
描きたい話はないけど、漫画が描きたい。
漫画を描くという行為そのものが好きなのよ。でも、先になにかあるわけじゃないのよ。そういう状況があるし、そういう人種がいるのよ。
「どういうこと?」って思うかも知れないけど、これはほんとよ。ほんとにそう。
今日、その話するね(衝動)。
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わたしもそうだし、そういう人間がどうやって漫画やって生きてくんだって、すごく悩んだのよ。でも、描きたいものがなくても、描いたらいいのよ。いきなり。
いきなり紙のもう、真ん中だよね。上からとかじゃなくていい。なんなら下からでもいい。とにかく描いちゃうのよ。体の足からとかでもいいし、目でもいいし、ケツでもいいし。とりあえず、原稿用紙の真ん中に、ドカーンと描いてしまう。
それで、描いたものから、お話を連想する。じわじわ広げていく。
セリフは思いついてないけど、吹き出しを描いてしまう。
コマ割りがどうなるかわかんなくても、どんどんコマで区切っちゃう。
それが楽しいの。そこが楽しい。で、セリフはあとで入れて帳尻を合わせたらいいの。
そういうやり方があり得るってわかってからはね、ほんとに漫画が楽しくなったし、描けるようになった。
それが本当に救いだったよね。
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計画とかなくて良いのよ。これ、面白いことにさ。
「どうなるかわからないものを描き続けるのきつくね?」って思うかも知れないけど、これが実は反対で。先がわかってて、自分にとって予測可能なもののほうが、描いててキツイのよ。
ただ作業になっちゃう。計画をなぞるだけ。そこに意外性がないのよ。
「こんな画面になっちゃった!」っていう、自分のおどろきがない。
そっちのほうがキツイ。そういう人種は、います。多いかどうか知らんけど。私もけっこう、そっち寄りなんです。
ですからね、お話が思いつかないから、オチがわからないから描かない、じゃないんです。むしろ、なにも思いついていない今がチャンスだから、さっさと描いたほうがいいんです。
で、1ページ描いたら、バーっとなにか脳みそが動き出して、前後の流れが見えてくる。そのときは、それは自分にとって意外で、予想外で。ああ、俺からこんな話が出てくるのかっていう新鮮なおどろきがあるんです。
自分の発想の限界を越えたものが出てきてくれるんです。そこが楽しくてやっている。
そのおどろきを使って、漫画を描くんです。新鮮なうちに。作業になっちゃう、その前に。
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つまり、創作というのは「自分の中にあるものを出す」という文脈で語られがちだけど、どちらかというと「自分の中にないものとあらたに出会うためにやる」というものでもあるはずなんだ。
で、今日したかったのはそっちの、後者のほうのお話なんだよね。
自分の中にないからダメなんじゃあなくって、探しにいくことが物語なんです。
あ、いいこと言ったよね(草)。良いこと言いましたよねわたくし!?!?!?(自画自賛おじさん)
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これね。社会でよしとされているプロセスとは真逆です。正反対です。
社会に出るとチームプレイするでしょう。計画が要る。人と一緒にやるから。
ですからね、社会性って計画性っていうことでもあるんですけれども、
わたしにはないんです(泣)。本当にすみません。
ですから、今回の話はとっても同人とか、個人向け。商業で同じことができるかはちょっと謎です。
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まあ、そんなわけなんです。描き始めてから動き始める物語というものがあります。
どうか1ページでもいいので、下書きのまま放っておかないで、ペンを入れてみてください。
きっと脳みそが働き始めます。そこに物語があるはずです。
松村上久郎でした。では、また。
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